2008年4月から義務化!
特定健診と特定保健指導
について、問題点を探ります。
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特定健診・特定保健指導 義務化の問題点


特定検診と特定保健指導が2008年から
義務化されます!


 いまひとつ知られていないことですが、来年2008年4月から、メタボリック
シンドローム対策として、特定健康診査(特定健診)特定保健指導という
制度が始まります。その背景には、メタボの人やその予備軍を減らして国民の
健康を向上させることで、増え続ける医療費を抑制しようとする政府の政策が
あります。

 メタボリックシンドロームは半ば社会問題化しているものでもあり、何らか
の対策は必要であるとしても、その定義に不明瞭なところがあり、また健診や
指導を数千万人もの保険加入者全員に
義務付けるという点に、医療機関や
製薬会社への利益供与が本当の目的ではないかといった疑問の声が出てい
ます。


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特定健康診査(特定健診)とは?


 特定検診は、2008年4月から始まるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症
候群)検診のこと。40歳から74歳までの全保険者、被保険者全員に義務付けら
れます。メタボリックシンドローム該当者や予備軍を早めに発見することで、
生活習慣病を予防し、医療費を抑制することを目的にしています。

 国はこの特定健診をと特定保健指導により、メタボリックシンドロームの人
の数を、平成24年度で10%減、24年度で25%減とすることを目指しています。
この制度が始まると、計約5600万人の日本国民が来年一斉にこれを受ける
ことになると予想されています。



特定保健指導とは?


 特定保健指導とは、特定健診での診断に基づいて、各保険者(国民)に対し
て行われる健康指導のことで、医療機関や管理栄養士などから生活習慣病に関
する知識を与えられたり(全員)、メタボやその予備軍と判定されると食事や
運動などの指導を、最高6ヶ月にわたり受けることになります。

 メタボリックシンドローム、またはその予備軍と判定された人たちには、達
成すべき目標も与えられ、達成状況により、後期高齢者支援金が±10%の範囲
で加算されたり減算されたりするインセンティブ(罰とご褒美)が与えられる
ことになりました。




特定健診と特定保健指導の具体的な実施方法


 まず40〜74歳までの人たち全員に、特定健診を受けてもらいます。

 その健診結果を元に、内臓脂肪の蓄積状況から、以下のようにリスク判定を
行い、その後の保健指導の方法を決定します。


特定健診の具体的な手順

まず、腹囲やBMIを測定してグループ分けをします。

・男性 85cm以上、女性90cm以上・・・


男性 80cm、女性90cm以下の人で、BMIが25以上の人・・・



次に、以下に該当するかを判断します。

@血糖:空腹時血糖100mg/dl以上、または HbAlcが5.2%以上、または薬剤治
 療を受けている場合

A脂質:中性脂肪150mg/dl以上、または HDLコレルテロール40mg/dl未満、ま
  たは薬剤治療を受けている場合

B血圧:収縮期血圧130mmHg以上、または 拡張期血圧85mmHg以上、または薬
  剤治療を受けている場合

C喫煙暦がある(@〜Bの1つ以上該当の場合のみカウント)


腹囲や@〜C判断基準による判定の結果に従って、リスク分けを行います。
どれだけメタボリックシンドロームになるリスク、その後生活習慣病になるリスク
がで保健指導の内容が変わってきます。


Aの人の場合: @〜Cのうち当てはまるものが、

2個以上の人・・・積極的支援レベル
1個の人  ・・・動機付け支援レベル
0個の人  ・・・情報提供レベル


Bの人の場合: @〜Cのうち、当てはまるものが、
  
3個以上の人・・・積極的支援レベル
1〜2個の人・・・動機付け支援レベル
0個の人  ・・・情報提供レベル




保健指導は、各レベル別に行われる



 特定保健指導の保険指導プログラムでは、レベル別に内容や達成すべき目標
が決められていて、概ね次のようになります。


特定健診・特定保健指導の趣旨・概要について  厚生労働省保険局より引用



積極的支援レベル

・検診結果から身体状況を理解し、生活習慣との関連が認識できるための内容
・対象者が行動変容を自ら選択し、継続実践ができるようにするための内容  
 など。



動機付け支援レベル

・検診結果から身体状況を理解し、生活習慣との関連が認識できるための内容
・健康的な生活習慣への行動変容の必要性を理解するための内容。
 (検診データ、生活主観に照らし合わせた将来展望を含む) 
 など。


情報提供レベル(全員が対象)

・健康的や生活習慣病への行動変容の必要性を理解するための内容。
 (検診データ、生活主観に照らし合わせた将来展望を含む) 

・生活習慣の改善移管する基本的な内容、方法  
 など。




特定健診・特定保健指導への疑問と問題点


 特定健診・特定保健指導には、その実効性や内容への疑問や批判、そしてこ
の制度自体が抱える不透明さから、問題点を指摘する声があります。その中の
いくつかをご紹介します。

(参考:大和総研 メタボリックシンドロームの予防対策の成否


不透明なメタボリックシンドロームの基準

 今回の制度の大きな柱であるメタボリックシンドロームの予防。しかし、制
度の核心となるメタボリックシンドロームの基準が不適切であるという声が以
前から存在します。

 まず皆さんがよくご存知の基準、「男性が85cm、女性が90cm」という腹囲の
値ですが、女性よりも男性の方に厳しい基準を課しているのは、世界的に見て
も日本だけです。同じアジア圏の国でも、シンガポールや中国は、男性の方が
基準値が高くなっています。つまり、男性の方がゆるい基準になっています。

 こうした胴回りのサイズの基準値に、骨格や身長が考慮されていない点にも
疑問の声が出ています。

 これに対し厚生労働省は、「根拠となるのは内臓脂肪の量で、わが国には腹
部のCTデータが豊富にある」と主張します。が、「豊富」なデータというの
は、実は男性554人、女性194人でしかありません。サンプル不足であるのは明
らかです。

 内臓脂肪を測るには、MRIやCTを使うことが必須なのですが、特定検診
では機器を使った測定は行われず、胴囲の値だけで判断されることになります。

 胴囲と並んで血糖値や血圧などの数値もメタボリックシンドロームの基準と
なりますが、この基準が以前と比べて厳格化しています。たとえば1993年の高
血圧の基準は、160/95mmHgでした。しかし、現在ではそれは130mm/85mmHgに引
き下げられています。こんなに基準を下げたら患者数がいたずらに増加するこ
とになります。それに年齢、性別などを考慮せずに一律の基準を定めることに
も、医学的に問題があります。


喫煙対策が採られていない

 喫煙が、がんをはじめあらゆる病気へのリスクを増大させるのは,
医学的に見て明らかであるにもかかわらず、今回の制度では、
喫煙対策は採られていません。患者数と医療費が増大に喫煙が関係
しているのは明らかであり、厚生労働省もそのことを認識しているにも関
わらずです。


金儲けが目的なのか?

 以上のことから、制度の表向きの趣旨とは裏腹に、病気の人を増やして、医療機関や製薬会社の収益につなげようという意図がこの制度には感じられます。

 この件に関しては、18年5月10日の衆議院議員構成労働委員会において民主党 の郡和子議員が、「製薬会社とそのパートナーである医学専門家が新しい病気 を作り出して、病気でない人まで病気にしてしまう」と発言。マーシャ・エン ジェル氏の書いた本ビッグ・ファーマ―製薬会社の真実でもそうした製薬会社のやり口が詳しく書かれていま す。

ビッグ・ファーマ―製薬会社の真実



特定健診&特定保健指導が新たな利権に?


メタボ市場拡大!健診・指導で最大2800億円(イザ!ニュース 07.7/2))

 「医療費の抑制」が目的と言いながら、メタボの基準の決め方が不透明で、
病気でない人まで病人にしてしまいかねないところを見ても、特定健診・特定
保健指導は医療機関や製薬会社の新たな利権として決定された制度ではないか
と疑わざるを得ません。

 上の記事では、この制度の発足で、最大2800億円ものメタボ市場が生ま
れるとされています。

 特定健診は、計約5600万人に対して実施され、「健保組合などが新たに
支払う健診費用について、厚生労働省の目標健診率(保険別に65〜85%)
が達成されれば、単価が5000円として年間800億円、9000円なら1
400億円に達する」。

 そして特定保健指導についても、「指導料の単価は、軽度の「動機づけ支
援」で7000〜1万2000円、重度の「積極的支援」では3万〜6万円と
推定し、対象者(約946万人)の45%(厚労省目標)に実施した場合、総
額で年間730億〜1411億円になる」といいます。

 これに加え、「メタボ対策の施設づくりや計測器、分析システムの導入など
新規の設備投資」も新たに加わるとのこと。医療機器メーカーにとってもおい
しい儲け話になるのは間違いありません。。


旭化成 特定健康診査・保健指導事業に参入へ(イザ!ニュース 07.05/23)

 この記事によると、「旭化成は健保組合と契約し、健診データの分析・解析、
保健指導計画の策定などの業務を請け負う」とのこと。検診を受ける人の数が
来年4月以降に数千万人に増えるため、従来の健康診断業者だけでは足りず、
新規参入が増えると予想されていた中での発表です。

 旭化成は、データの分析・解析以降を健保組合から請け負うことになり、指
導計画策定といった保険指導にも管理栄養士と提携することで参入することに
なります。3ヶ月の支援コースで1人あたり1万8000円でサービスを提供
する計画」です。


メタボ市場は7・5兆円 矢野経済研究所が調査(イザ!ニュース 07.5/21)


 矢野経済研究所がまとめた「メタボリックシンドローム市場調査」で、予防、
診断、改善・治療の3分野のメタボ関連市場は、予防と診断だけで1兆円を超
え、改善・治療を含めると7兆5000億円を超えることがわかりました。

 予防の分野では食品が中心となり、7330億円、診断の分野では健康診断
関連サービスやフィットネス機器などで3265億円、改善・治療の分野では、
糖尿病や循環器系疾患の医療費を中心に6兆4771億円という市場規模にな
るとのこと。


 来年4月から始まる特定健診や特定保健指導で、保健指導やフィットネス機
器の市場拡大が、さらに見込まれることになります。

 「メタボリックシンドローム対策」を大義名分に、市場を拡大させ、関連業
界が特需で儲かる可能性があるわけですが、そのお金は一体どこから出るので
しょう?

 
私たちの健康保険です。



健康保険料が上がる!?


 ねぎしかずこ 横須賀市議会議員議員(共産党)のブログから気になる記述
を見つけました。特定健診・特定保健指導は、健康保険料のさらなる値上げに
つながりかねないというのです。

 ねぎし氏は、今回の制度改革について、市長への次のような質問をしていま
す。

 「これまで市の一般衛生部門が担ってきた健康づくりに対する責任のかなり
の部分を各保険者に担わせ、その費用も医療保険財政から支出することになり、
保険料の引き上げにつながりかねません」。

 特定健診・特定保健指導の費用は、医療保険から支出することになります。

 そして特定健診や特定保険指導を受ける際には、自己負担も発生します。そ
してその自己負担の額は、「各保険者(注:健康保険組合)の判断で定めるこ
とになるため、保険者の財政状況が受診者の自己負担額に反映し、その高い・
安いは健診の受診率にも大きく影響を及ぼすことになります。」のだとねぎし
氏は言います。

 「特定健診の実績が低い場合、新たな後期高齢者医療制度へ拠出する「支援
金」の負担が重くなるというペナルティを課す仕組みも導入されているため、
ますます各保険財政に格差が持ち込まれることにな」るともいいます。



 2008年の4月以降、私たちの多くは、病気でもないのに毎年病院に行き、検
診や指導を受けさせられる“義務”が生じます。しかも自分でお金を払って。
さらにこの制度により保険財政が苦しくなれば、健康保険料の更なる値上げも
予想されます。


 厚生労働省関連の問題では、薬害肝炎、年金問題の影に隠れてほとんど
国会でもマスコミでも議論になっていませんが、もっともっと国民的議論が
必要な問題だと思います。


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